究極のことを言えば、ものまね芸人なんていうのもそうかもしれません。
昆虫においても、似ているものは多くありますが、ことさら比較されるのが、ガ(蛾)とチョウ(蝶)です。
蝶というと、きれいなお花畑を飛んでるかわいらしいイメージがあり、漫画等でも蝶のような天使が描かれていたりします。一方蛾となると、きたない、嫌いといったイメージがあり、飛んでいたりすると、あっちへ行け!と言いたくなってしまいます。
蝶が色鮮やかで華やかで優美な表の世界だとすると、蛾は夜の街灯などに集まってきたりして陰気で毒々しい姿の陰の世界ということになるでしょう。触覚も蛾は蝶に比べて太いため、より不気味な印象を人々に与えてしまうのでしょう。
さて、この蝶と蛾ですが、生物学的分類では、鱗翅目(りんしもく)という同じ目に属するいわば兄弟のような関係です。
少し、たとえが変かもしれませんが、誤解を承知でわかりやすいたとえをすると、蝶が人間なら、蛾は猿といったような関係と言えます。何を言いたいのかというと、蛾は蝶の遠い先祖に当たります。
えええ? ホント? だって蛾は夜行性なのに、蝶は昼間飛んでるし、違うんじゃないの?と思うかもしれませんが、それこそ、まさに蛾は蝶の遠い先祖に当たるということを証明しています。
むかし、むかし、とある村にお爺さんとお婆さんが住んでおった・・・ って 日本昔話かーーーい!
いやいや、日本昔話ではなく、むかしむかし、蛾のようnはねに鱗粉(りんぷん)がある昆虫は、すべて夜行性だったのです。
つまり、お猿さんが森林から草原にでてきたように、あるとき蛾の一種が昼に寝るのをやめてしまったのです。
そんな、気まぐれな・・・
でも、よく考えてください。
猿は森林から草原に出てくることで、木がありませんので、二本足で歩くようになったのです。
同じように蛾も、暗闇から太陽のもとに出てきたので変化していきました。明るい昼間を飛ぶので、暗闇を飛ぶときに頼りにしていた太い触覚は意味がなくなってきました。触覚は退化して、羽の色も、蜜を求めて花の間を飛ぶときの保護色にといったことで、鮮やかな羽根の色に変わっていきました。
蛾は蝶の遠い先祖というと、なんか不思議な感じがしますが、事実そうなのです。
世界遺産といえば富岡製糸場がありますが、戦後の日本を支えた養蚕業といえばカイコ。
愛くるしい白いカイコは桑の葉を一生懸命たべ、そして絹色の繭をつくり、やがてそれが着物へと変わっていきましたが、カイコも成虫になるとカイコ蛾という蛾になります。
ヒトの役にたっている蛾もいるということですね。
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