空を飛ぶコウモリ、海を泳ぐ海獣と言われるアザラシやアシカ、そして形までもう魚のようになっているクジラやイルカがいます。
クジラと言えば、海に顔をだし、豪快に潮吹きをしている姿をイメージする人もいるかもしれませんが、あれは実は海水を吹きだしているのではないそうです。
クジラは哺乳類で魚と違ってエラ呼吸ではなく、肺呼吸をしています。そして、人間の1.5倍ほどある肺の中の空気の80~90%を一気に交換しています。
潮吹きは、海水を吐き出しているのではんく、吐いた空気が冷えて海水を吹いているように見えるのだそうです。
まあ、なんともいちいち呼吸のために海面にあがってこなければならないというのは面倒だなと思ってしまいます。
体の形はもう魚そのものなのに、わざわざ肺呼吸なんてなんか変な感じがします。
しかしクジラは陸では生活できず、かりに陸に打ち上げられてしまったとすると、わずか数分で呼吸困難になり死んでしまいます。
人間の1.5倍もの肺を持ちながら、しかも一度に80~90%の空気を交換できる能力を持ちながら、地上ではダメということになります。
なぜ海にいて、海面に顔を出して呼吸しているのに、陸にでるとダメなのでしょうか。釣りをする人ならわかると思いますが、エラ呼吸の魚すら、釣り上げて地上にあげたあともすぐには死にません。
これは、クジラの体の大きさに原因があります。
世界一大きいシロナガスクジラともなると、最大のものでは体調が32mにも達するといいます。
恐竜で大きいと言われたディプロドクスですら体調が25mですからいかに大きいかわかるかと思います。
大きい動物は水中では自分の体重を支える必要がなく、水圧にさえ耐えることができればがっちりとした骨組をしている必要はありません。
一方、水圧に対する抵抗力が必要になりますので、皮下脂肪を厚くしていきます。クジラだけでなく、イルカやアザラシ、アシカといった動物の皮下脂肪が厚いのはそのためかもしれません。
そしてがっちりした骨組が必要でないので、骨のつながりが緩くなりどんどんと体を大きくすることができたのではないかと言われています。
でもこれは、水中で問題なくても陸上では多いに問題があります。
クジラの体重を考えると、ゆうに100トンはあります。最大級クラスのシロナガスクジラだと170トンにもなると言われています。
こうなると肺など生きていくのに必要な臓器が押しつぶされてしまいます。
地上では、ゾウより大きくなるということはかなりしんどく、大変なことなのでしょう。
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