実は人間の体は血液のpHがだいたいpH7.4になっています。血液は緩衝液ですので、多少のpHの変化を起こすような環境の変化があっても、pH7.4に調整するように自己調整機能が働いています。従って血液がpH7.4から酸性側やアルカリ性側に大きくズレてくると、病気ということになります。
例えば、急性アルコール中毒などでは体液が急に酸性側に傾いたり、肉類を摂りすぎたりするとやはりpHが酸性側に傾く原因となります。
そして、この血液から皮下組織、真皮、表皮と体の表面にいくにしたがいpH5.0前後の弱酸性になっています。つまり人の肌は通常はpH5.0の弱酸性になっています。
皮膚の表面にアルカリ性の物を塗って、そのままにしておくと毛穴が老廃物等で詰まってしまいます。これは、角質層にあるケラチンは、アルカリに弱く、ケラチンがアルカリに溶けてしまうと肌のバリア機能が損なわれ肌があれやすくなります。従って、ほとんどのヘアケア化粧品やスキンケア化粧品は弱酸性となっていて、またアルカリ性石鹸は洗浄した後はきちんと水で洗い流します。シャンプーにしても石鹸にしても、きちんと洗い流せば、一時的にアルカリ性になっても、だいたい15分ぐらいで弱酸性に戻る力があると言われています。
汗はpH7.0~8.0、涙は7.2~7.8と比べると人間の皮膚のpH5.0前後というのは低くなっています。
髪の毛も肌と同様にpH5.0に近い値になっています。
肌は弱酸性ですが、実は肌のタイプによって肌のpHは変わってきます。脂性肌の人の肌のpHは、比較的酸性に傾きやすくなります。そして逆に乾燥肌の人のpHはアルカリ性に傾きやすくなります。

女性の肌は、健康肌ゾーンがpH4.5~5.5、男性の肌では、健康肌ゾーンがpH4.3~5.5で、それより小さいと酸性ゾーン、大きいとアルカリゾーンになります。
また生まれてきたばかりの新生児は中性よりで、すぐに弱酸性になり、それから年とともに中性よりになっていくため、殺菌作用が弱くなるのではと言われています。年をとるにつれ肌が弱くなり肌あれしやすくなるというのも、年齢を重ねるに従い肌がより中性に近づいていくからなのかもしれません。そして肌あれや皮膚病になるとpH6.0を超えてしまうといいます。
肌表面が弱酸性になっていることは、殺菌効果ということから考えても非常によくできているんですね。

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