東京都の豊洲市場の土壌汚染問題が話題になっていますが、土壌汚染とは、工場などからの汚染物質の漏れや不法投棄などによって有害物質が土壌中にでてきて蓄積し、それが長期にわたり農作物や地下水に影響を与えてしまう蓄積性の汚染と言えます。
ましてや、食品を扱うような市場の下の土壌が汚染されていたとなれば、前代未聞、論外ということになります。


法的に考える土壌汚染


土壌汚染というとその法律には土壌汚染対策法がありますが、土壌中の有害物質の基準値を設けて浄化などの対策を徹底的に行っていくのはもちろん、その一方で水質汚濁防止法や、大気汚染防止法、農薬取締法などといった法的規制を守ることも、土壌汚染の未然防止につながっていきます。


土壌汚染防止法


特定汚染物質の規制、汚染おある土壌についての土地の調査と健康被害防止措置の実施


廃棄物処理法


特別管理廃棄物として通常の廃棄物よりも厳しい基準になっています。


水質汚濁防止法


土壌汚染を引き起こす汚染物質を監視・規制しています。


大気汚染防止法


土壌汚染を引き起こす汚染物質を監視・規制しています。


農薬取締法


農薬の登録・販売・使用規制




豊洲市場は大丈夫なのか?


まったく、盛り土をしなければいけないところを盛り土していない上に、地下部分の空間をモニタリングスペースなどとうそぶいて、下をコンクリートでフタをしていなかったためか、水がどんどんと中に入ってきて、水浸し状態になっている状況は、本当に稚拙な工法で工事を行ったんだなと思うと情けなくなります。
大手ゼニコン4社(発注率が99%というから、たぶん談合していたんであろう)が、都からうんとお金をふんだくろうという考えで、利権がらみの発注を行ってきたのであろう。大手ゼネコンがこんなことやってるようじゃ日本も終わりだ。


盛り土がどうのこうのいう以前として、ゼネコンであれば、その土地がどういう土地であり、地下空間を作った上に、床をコンクリでフタしないという時点で、これはおかしいですよ。大丈夫ですか? とむしろ発注している都に確認するぐらいでないといけない。
それが本当のプロの仕事ではないのか?


ただ、言われたとおりに作業員たちに仕事をやらせるだけだったら、言っちゃ悪いが馬鹿でもできる! 本当に技術あるのか?と疑わしくなってしまいます。


ただでさえ、液状化が指摘されているような地域、盛り土もしないで、地下空間の床をコンクリートでフタしなければ、どうゆうことになるか、プロじゃなくても、素人の一般人、いや小学生だって容易に想像がつくことではないだろうか?
どうせ、地下空間については、工費を安くすませて、後は隠蔽しようとでも思っていたのでしょう。とんでもないことである。


ベンゼンやシアンは出ず、ヒ素と六価クロムは基準以下だからいいのか?


そうじゃないだろ! あの地下構造、土地の性質、建築方法の経緯をみたら、もし今基準以下でも、いずれ基準を上回ってくる可能性も十分にありうる。


しみ出して水について調べたが、ベンゼンやシアンなどは検出されなかったと言っているが、こんなことがあっては困る。当たり前の話だ。
しかし、ヒ素と六価クロムが環境基準を下回るレベルで検出されている。


ヒ素や六価クロムだって、水質汚濁防止法の施行令で健康項目として、「人の健康に係わる被害を生ずるおそれがある物質」としてしっかりと指定されているのである。
環境基準を下回るレベルで検出といっているが、これだってどれだけ信用していいものか?


だって、マスコミが地下の水や空気を摂取しよとしたら、東京都の職員が止めたという。「私たちで責任をもって調べますから。」
これのどこが情報の透明化なのだろうか。やましいことがなければ、どうどうとマスコミにでもサンプルを供給するべきであろう。
どうせ、自分達で測定して、値をごまかしていると言われたってしかたない。
もっと言うと、そもそも豊洲市場の土壌では元々環境基準値を超えるヒ素が検出されていた。それが環境値以下だったからいいじゃないかというのは、こともあろうに都民・国民の台所を担う生鮮食品や青物市場が上にある豊洲市場、世界に誇る大市場にしようとしている土地柄を考えたら、すまされるものではないだろう。


いったい、自分達の利権ばかりを考えて、都民・国民の健康・安全をどう考えているのだろうか。しかも都民・国民の税金を使ってお仕事をやらしていただいている身でありながら、とんでもない話である。こんな都議やゼネコンならいらないから、とっととつぶして日本から消えて欲しいものである。


ましてや、ヒ素という物質のおそろしさを知らない無知な人間だから、基準値を下回ってるからいいじゃないかなんて平気で言える。
百歩譲って、本当に公平性のある第三者機関で試験した結果、環境基準を下回っていたとしても、土地柄を考えてもそうだし、経緯からすると今後ヒ素の濃度がどんどん上昇してくる可能性が十分に考えられる。


ヒ素という物質は、環境基準においても、0.05mg/Lから、0.01mg/Lと、基準が5倍も厳しくされた過去の経緯もあります。それだけ危険な物質だということです。
昔、カレーヒ素事件というものがあったかと思いますが、あのヒ素です。
それが、魚をさばいていたり、生鮮食品を扱っている真下で検出されているのですから、本当にひどい話です。

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