肩や腰が痛いとき、どのようなことをされるでしょうか?
パップを貼る、クリニックへ行く、鍼や灸をする 人それぞれだと思いますが、カイロプラクティックという選択肢もあるのかなと思った方もいるかと思います。
肩こりが・・・ 腰痛が・・・ といったときに、よく聞くのが”カイロプラクティック”。
カイロプラクティックは、法的に医事行為ということになるのであろうか?
按摩や鍼や灸については、按摩マッサージ指圧師、鍼師、灸師、柔道整復師の免許が必要となる。

あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律
第1条 医師以外の者で、あん摩、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マッサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許(以下免許という。)を受けなければならない。

柔道整復師法
第15条 医師である場合を除き、柔道整復師でなければ、業として柔道整復を行なつてはならない。

カイロプラクティック療法の医学的効果については科学的評価が未だ定まっておらず、免許制や届出制ではない。
カイロプラクティックには平成2年度、厚生科学研究で出された三浦レポート(脊椎原性疾患の施術に関する医学的研究)の報告書にその考え方が示されている。

カイロプラクティックの危険性については、カイロプラクティック施術者のみならず、国民一般にも、理解を求め、事故を未然に防止する必要があるとしていて、問題点を挙げている。

ア)禁忌対象疾患の認識
カイロプラクティックの禁忌は、一般には腫瘍性、出血性、感染性疾患等。
術者によっては、リウマチ、筋萎縮性疾患、心疾患等も禁忌に含めている。
徒手調整の手技によって症状を悪化し得る頻度の高い疾患、例えば椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症、骨粗しょう症、環軸椎亜脱臼、不安定脊椎、側彎症、二分脊椎症、脊椎すべり症などの明確な診断がなされているものは禁忌の対象に含めるべき。
イ)危険な手技の禁止
とりわけ頚椎に対する急激な回旋伸展操作を加えるスラスト法は、患者の身体に損傷を加える危険が大きいので行うべきでない。

ウ)医学的治療の遅延防止
長期間あるいは頻回のカイロプラクティック施術によっても症状が増悪する患者の疾病の原因や症状発生の機序を独断的・誘導的に説明することは、同じく治療の遅延や、正しい医療に混乱を招く恐れがある。

エ)誇大広告の規制
カイロプラクティックを始め、その他の民間療法については、規制が明確にされていない。しかし誇大広告を厳しく規制する方策がとられるべき。

もちろん、医事行為ということで医師法や医療法に抵触すると刑事罰などの可能性もあるので十分に注意が必要であるが、このあたりのきちんとした法的整備がなされることが望ましい。

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