さて冬至を過ぎると、これからは1日の昼の長さがだんだんと長くなっていきます。
冬至はご存知のとおり、1年で最も昼が短くなる日です。そのため、漢方的な考え方をすると、1年で一番昼が短いということは、太陽の力が一番弱い日とも言え、つまり『陰の気が極まる日』と言えます。
そういうことで、冬至は陽が復する「始まりの日」であることから、十二支に当てはめて、冬至を含む月が子の月とされていました。

一方、冬至はこれから陽の気が強くなり始める日ということで、運気も上昇しはじめる日という考え方がありました。そしてその日にもっと”運”をつけるため”ん”のつくものを食べる”運盛り”という風習が生まれました。
次の7種類は、名前に「ん」が2つづつ含まれていることから「冬至の七種(ななくさ)」といわれています。
・南瓜(なんきん)=カボチャ
・蓮根(れんこん)
・人参(にんじん)
・銀杏(ぎんなん)
・金柑(きんかん)
・寒天(かんてん)
・饂飩(うんどん)=うどん

そこでカボチャの『旬』を考えてみると、5~9月、つまり夏が旬になります。”運盛り”ってのはわかったけど、なんでわざわざ冬に夏が旬であるカボチャなのか?と疑問に思われる方も多いかと思います。

これは実は、冬至は陰の極まる日であることから、陽の季節のものを食べて陽の気を補うといった意味があるそうです。
”南”方から来た”夏”野菜で”赤”味がかったカボチャは、陽の気を補うのに最適というわけです。

もう一つ、冬至の風習としては、ゆず湯というものがあります。確かに冬至にゆず湯に入ると、体が温まりますが、柚子は強い香りで邪気を祓うという意味があり、邪気を祓って体を清めるという意味合いがあります。
「冬至=湯治」と「柚子=融通」をかけた語呂合わせで「融通が効くように」という縁起かつぎの意味もあるとされます。


さてさて、カボチャの選び方ですが、色が濃くて果肉が詰まってずっしりと重みがあるものが良品とされています。ヘタの周りがくぼんでいるのは完熟している証拠です。
カボチャは丸ごとならそのまま冷蔵庫等の冷暗所で保存して問題ありません。切ってあるものは、わたと種を取って、ラップをかけて冷蔵庫の野菜室が良い保存方法でしょう。

漢方薬膳的に言うと、カボチャは五味が甘、五性が温となっていて、気虚の人にいいと言います。胃腸の働きを助け、体を温め疲労を回復します。抗酸化作用があることで有名なβカロテンは皮に多く含まれています。

ユズは、五味は甘・酸、五性は寒で、旬はまさに10~12月です。
気のめぐりを良くする働きがあります。

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