化粧品のアレルギーに関連して、アレルギーが起こる部位及びその原因や接触源などについてまとめてみました。

【被髪頭部】
◎ヘアダイ、シャンプー、育毛剤、ヘアピン
ヘアダイ(主な原因物質はパラフェニレンジアミン)では接触皮膚炎症候群を惹起することがあります。

【顔面】
◎化粧品、外用薬、空気伝搬性アレルゲン、花粉、サンスクリーン剤、めがね

【眼周囲】
◎点眼薬、眼軟膏、手に付着したマニキュアなどの物質、頭部・顔面に付着した物質、化粧品
原因物質としては、点眼薬中の塩化ベンザルコニウム、チメロサール、眼軟膏中の硫酸フラジオマイシンが多い。アトピー素因がある場合、摩擦皮膚炎も考慮します。

【口唇】
◎リップ等の化粧品、食物

【口周囲】
◎食物
食物による接触蕁麻疹の場合、原因食物を摂取した後、数秒から数分以内に口唇および口周囲に刺激感、灼熱感、痒みが起こる.口腔内に同様の症状が生じる場合もある。

【耳】
◎ピアス、頭部、毛髪に使用したもの、補聴器
ピアスによってニッケルをはじめとする金属アレルギーを生じることがある.したがって、耳介の皮膚炎をみた場合は、それだけでニッケルアレルギーの可能性を示唆する。

【頸部】
◎ネックレス、ペンダント、聴診器、空気伝搬性アレルゲン
粉塵では襟の下に固着してより激しい炎症を生じる。

【腋窩】
◎デオドラント、香水
剃毛による刺激皮膚炎も生じうる。

【体幹】
◎下着、ゴム、ベルトバックル、柔軟仕上げ剤
その他、ストーマ周囲皮膚炎、灯油皮膚炎、外用薬、ボディーソープなど多彩な接触源があり得る。近年、若い女性の腹部にベルトバックルによる皮膚炎の例がしばしばみられる。

【外陰部】
コンドーム、外用薬、避妊用薬品
密封される部位で、かつ皮膚が薄く、刺激を受けやすい部位である.男性が使用したコンドームでゴム成分に過敏な女性が皮膚炎を生じることもある。受診前に自己治療を行っている場合が多いので、外用薬による接触皮膚炎も考慮する。

【前腕】
手袋で遮断できず前腕に暴露した物質、ブレスレット、抗菌デスクマット

【手】
接触したすべてのもの(職業性のものが多い。)
動物や食物による接触蕁麻疹がわかりづらいことがある。パッチテストとともにプリックテストも考慮する。

【大腿】
切削油、硬貨、鍵
ポケットに入れたもので皮膚炎を生じることがある。

【下腿】
消毒液、外用薬
下腿に生じた潰瘍の周囲に湿疹を生じる、もしくは、潰瘍が治癒傾向を示さない場合に、消毒液や外用薬による接触皮膚炎も考慮される。

【足】
靴下のゴム、靴の接着剤、抗真菌外用薬

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