まだパラリンピックがありますが、そんな中、五輪放送のテーマソングもいろいろありました。
JOC日本代表選手団公式応援ソング : モーニング娘。’14『君の代わりは居やしない』
NHK : コブクロ『今、咲き誇る花たちよ』
日本テレビ : 嵐『Road to Glory』
テレビ朝日 : 福山雅治『GAME』
TBS : SMAP『Moment』
フジテレビ : 絢香『number one』
テレビ東京 : Every Little Thing『START』
どれも良い曲ばかりだと思います。
しかし、私が想い出に残っている五輪ソングは、少し昔になりますが、ちょうど長野五輪の前の冬期五輪にあたるノルウェーのリレハンメル五輪で歌われていた高橋真梨子さんの『遙かな人へ』という曲です。
五輪ソングというのに、『傷つき敗れても やさしくなれるはず』とサビで歌っちゃってますw
えっ!? 最初から負けることを想定?
頑張れとか栄光をとかいうソングが多い中、この歌詞は印象に残っています。
傷つき敗れても、もっともっと大切なものを得ることができるよということを言いたかったのでしょうか。
高橋真梨子さんらしい歌詞といえば歌詞かもしれません。
1994年というと平成6年、今からちょうど20年前、ソチ五輪でレジェンドと言われ41歳で個人銀メダル、団体メダルを獲得した葛西紀明選手が、はじめて団体で銀メダルを取った時のオリンピックです。
1995年の地下鉄サリン事件より前ということになります。もちろん国際テロなんていったものはなく、このころまでは真の意味で平和と言われていた時代だったのかもしれません。
このころのヒット曲をみると、ZARDの『負けないで』『揺れる想い』、チャゲアスの『YAH YAH YAH』、虎舞竜の『ロード』、B’zの『愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない』、サザンの『エロティカ・セブン』、ユーミンの『真夏の夜の夢』、藤井ふみやの『TRUE LOVE』、広瀬香美の『ロマンスの神様』とまあこんな感じです。
時代背景を見てみると、企業設備投資の減少と個人消費の低下で景気低迷が続き,不況の影響が一段と深刻となっていたころです。1993年に米国の大統領がクリントンになった時代、日本は細川内閣の時代です。
「桃色吐息」「for you…」「ごめんね」等のヒット曲がある高橋真梨子さんですが、リレハンメル五輪ソングになった『遥かな人へ』は、高橋真梨子さん作詞、松田良さん作曲の名曲を、若かりし高橋真梨子さんが透き通るような歌声で歌い上げていました。
まだソチ五輪が完全に閉会もしてないうちから、JOCは20年東京五輪の金メダル数20~33個実現を揚げ、若手選手に重点を置き、橋本聖子選手強化本部長のもと各競技団体に必要な強化費を出して力を入れていくといいます。
また、ソチ五輪で、日本人選手に有利な点ばかりを調べ上げ、いかにも金が取れるような放送をして国民を煽りまくった放送局の姿があった。
有名になった森喜朗氏の「あの娘、大事なときには必ず転ぶんですよね」「見事にひっくり返った」「負けるとわかっている団体戦に何も浅田選手を出して恥をかかせることはなかったと思う」発言。実際は浅田真央選手を擁護するような発言の中の一部を切り取られたという見方もできるが、配慮は少し足らなかったかもしれません。
外国の選手みたいに、金メダルとったら家と車を与え、20年分の年収分の報酬ももらえるとかの優遇をしてあげるんだったら別だが、1回分の競技用具が買えるかどうかのお金で、金メダル取ってこいとプレッシャーを国全体でかける日本という国の稚拙さ。欧米の先進国等に比べると、精神的に子供な成熟していない国ということだろうか。
メダル云々よりも、今まで一生懸命競技をやってきて、みんなの前で披露して楽しんでもらえればいい。メダルなんかはオマケでついてくるもの。
選手の中には、こう思っている人もいるけど、メダル至上主義を押しつけている人達のプレッシャーを感じていないわけはないだろう。実にかわいそうである。スポンサーになってお金をかなりたくさん出してあげてるっていうんならわかるが、そうでもない人に限って、メダル、メダルと期待しています。
まあ、取れたら嬉しいねぐらいで送り出してあげたいものです。
さて、話を高橋真梨子さんの『遥かな人』へ戻すと、実際のところは作詞した彼女に聞いてみないとわからないのですが、いろいろな解釈ができるかと想います。
題名からして、昔一緒に競技をやっていて、お互い苦しみやつらさもわかり切っている旧友が、五輪出場選手である友達のことを想って、想いを歌にしたものというようにも取ることができます。
『遥かな人へ』
♪むかしふたり住んだ 街によく似てるね♪
昔、雪が降るところでよく2人で住んで競いあったね
♪いつか見た太陽 Bright 背中を指さす♪
太陽、つまりいつか2人で夢見た日の丸の旗
それは日本代表になった輝くあなたの背中を指さしているんだね。
♪道は別れるけど ひたすら強くなれ 命のシルエット♪
私は出ることができなかったけど、お互い強くなろうね
生きてる素晴らしさを感じ精一杯に
♪人を愛するため 人は生まれた 苦しみの数だけ やさしくなれるはず♪
人は人を愛するために生まれたんだよ。
わかってるよ一緒に苦楽を共にしてきたから
だからこそ、今のあなたをやさしく応援しているよ。
そしてあなたの、人への感謝の気持ちを忘れないでね
苦しいときあなただけじゃないんだよ。
その苦しみを乗り越えたとき、本当の優しさがわかるようになるよ。
♪今 ひとつドラマが 始まっても終わっても♪
競技が始まって、また終わっていく
♪孤独な鳥たちが Fly きらめき飛び立つ♪
そのため1人で競技場へ向かって、
恐怖をきらめきに変え颯爽と登場する選手達
♪せめて海をこえて 気持ちだけ伝えて 涙は語れない♪
応援にはいけないけど、せめて
孤独じゃないよ、1人じゃないよという気持ちだけ伝えたい
今まであなたのことを想って、悔し涙、嬉し涙いろいろあったけど
そしてあなたもいろいろあったと想う。
そんなこといちいち語ってられないよね。
とにかく今は、どんな時も味方だよ、1人じゃないよ
その気持ちだけ伝えたい
♪この白い街並 春が来たとき 瞳をかすめてく それぞれの場面が♪
この移っている五輪会場、春が来て五輪が始まって
そして終わる
その時、瞳の中を色々なシーンが通りすぎていくんだろうね
またそのシーンは嬉し涙? 悔し涙?
涙でかすんでいるんだろうな。
♪人を愛するため 人は生まれた 傷つき敗れても やさしくなれるはず♪
でも人を愛するために人がいるという事実は不変
もし負けて良い結果が残せなかったとしても
それだからこそ、わかる人の気持ちや思いやり、
やさしさという大きなものを得ることができるよ。
♪誰もがつかみたい 夢はあるけど ジェラシーかくせない ときめきの瞬間♪
五輪出場という夢、私にだってあった
五輪の競技会場に入ってきたあなたのときめいた顔をみて
やっぱりジェラシー隠せないよ。
五輪での金、それは誰もが欲しい夢
みんなもってるよ
正直、やっぱり悔しいしジェラシーは隠せない
♪人を愛するため 人は生まれた 苦しみの数だけ やさしくなれるはず♪
それでも、やっぱり人は人を愛するために生まれてきたんだ。
お互い競技をしてきた仲間、その苦しさも知っているから
お互いにやさしいくなれるはず。
こう解釈すると、なんと素晴らしい歌だと思ってしまいます。
実際のところは、違うのでしょうけど。
はじめまして。
福岡県の某FM局で「遙かなる人へ」が流れ、当時の気持ちを思いだして検索してこちらをのぞいてみました。
この曲、というか当時のNHKはテーマソングの選定が秀逸だったともいます。
メダルを取れた選手も、メダルに届かなかった選手にも祝福を送る素敵な歌だと思います。
牧歌的なのかもしれませんが、メダル至上主義ではない価値観もあって良いなと思ったりもして。
素敵なブログ、ありがとうございます。